私たちは今、大分県竹田市にシェアハウスを開業準備中です。昨日、そのシェアハウスではじめてのイベントをしました。
竹田の町に住む薮内さんという方を呼んで、竹田にまつわる歴史の話、隠れキリシタンと城の話を中心にしてもらうというもの。
キリシタンだけに、赤ワインたっぷりのシチューとパンも用意しました。
思ったことは、この3つ。
1 町にはいろんなプロフェッショナルが住んでて、教え合う機会をつくれば遠くに行かなくても、刺激は懐に作りだせる
2 知るを共有するって、たくさんの言葉を交わさなくても、深いコミュニケーションになる
3 まったく完成してなくてもとりあえずひとにきてもらうと場所が育つ!
1 遠くに行かなくても、刺激は懐に作りだせる
今回、お話をしてくれたのは薮内さんは、ふだん竹田のキリシタン資料館で働いています。
◾️薮内(やぶうち)さんプロフィール
出版社にて旅行雑誌を編集。仕事と趣味の城めぐりが重なり、城下町への移住を模索し退職。大分県竹田市へ移住後は、観光PRやガイドの傍ら、城をテーマに執筆・撮影。雑誌『地域人』(大正大学出版会)やwebメディア「城びと」(東北新社)など。海外含め訪問城は500以上。イタリアやスペインの古城を想わせるデザインに魅せられ、岡城跡近くに住み、年間50回以上登城。四季折々、日々刻々と姿を変える花や景色がお気に入り。
歴史を知らない私が、歴史トークイベントをなぜ?
シェアハウスでする初回のイベントで、歴史の話っていうのは、、、ちょっとマニアックというか、尖りすぎてる気がしませんか?
そうなんですよねぇ。もうちょっと気軽なテーマの方がウケるかなぁとも思ったのですが、なにより自分が心から聞きたい!みんなに知ってほしいという内容にしたくて。
それは、今の私には薮内さんの、竹田の歴史トークだったんです。
ちょうど先月、私の父が竹田にきました。歴史うんちくが好きなので、竹田にある岡城のプライベートガイドツアーを薮内さんにお願いしました。
それがめちゃくちゃおもしろい!!!!
私は歴史にはまったく詳しくなく。武将の名前もほとんど言えないし、歴史小説を読んでも史実はすべて忘れ、ロマンだけ楽しむタイプ。
それでも、薮内さんの歴史トークは頭にも、心にもすいすい入ってくるんです。
というのも、歴史の授業にでてきたような戦いや支配や覇権についてはほとんど語らないんです。文化や価値観や暮らしなど私にとって身近なものを、今目の前にある城のあり方や町のつくり、残された石像から読み解いていく話が中心。
歴史の話が、昔の誰かの話ではなく、自分とつながった話に感じられるんです。
薮内さんの話は、竹田のキリシタン資料館に行けばきけるのですが、なんせ私も、まわりも子育て中のひとが多い。子連れで、子どもをみながらだとゆっくり話がきけない…。なら、呼んでしまえ!と、子持ちの方中心にお声がけしました。
お話中。ふだん道で出会って立ち話をする薮内さんとはまったくちがう知識や感情が現れて、それに私もみんなもワクワクしていました。
薮内さんは、まぁーマニアックというか、特殊な知識を持ったひとです。でも、薮内さんのようか隠れた「なにかの先生」というのは、きっと他にもいるんだろうなぁとふと思いました。
誰かの、特別な知識や、深い考察に敏感でいれば、また他のなにかの先生が、この小さな竹田の町にきっとみつかる気がしました。
よく「都会は刺激がいっぱい」というけれど、この田舎町に隠れている、刺激の原石を大切にすることは、都会の暮らしとはまたちがったよろこびを生むんだろうと感じました。
2 知るを共有することも、深いコミュニケーションになる
竹田の歴史トークイベントは、メイントーク1時間半、その後のオフトーク1時間半。全部で3時間。
何度も会ったことあるメンバーがほとんどだったし、直接的に言葉を交わす機会は少なかったはず。
だけど、なんだか、いいコミュニケーションがあった気がするんです。
「へぇーー」と驚いたり
「ははは」と笑ったり
「ここがわからない」と質問したり。
「こう感じる!」と話したり。
同じ知るを共有するコミュニケーションが、私は大好きだなぁと、改めて感じました。
特に今回は、子育てを共有するメンバーが多く、ふだんは子育てに関する話をすることがほとんど。それがこの日は、歴史というまったくちがう話題で盛り上がったわけです。
親としての顔じゃなく、個人としての姿が、自然と現れていた気がする。
3 まったく完成してなくてもとりあえずひとにきてもらうと場所が育つ!
今回は、初のシェアハウスでのイベント。
場を開く、はじめての機会だったわけです。
ただ、やっと物が片付いてきただけで、内装もいじれていないし、掃除もまだまだ。
こんな暮らしを届けたいという、理想の姿とはほど遠い状態です。
それでも、なんとか部屋をあっためて、布でテーブルを隠して、クッションひいて。
約20人分の料理をせっせとつくって。
ひとがやってくると。
まだまだ「途中」「完成にはほど遠い」と思っている空間も、それなりに楽しい舞台になるんです。
そもそも、完成ってなんだろう、となります。完成がわからないなら、ずっと途中なんじゃなかろうか、と。
「完成してからお披露目」なんてせず、これからも、どんどんひとを呼んでいこうと思いました。
そうすれば、また、こうしたい、ああしたいができていく。
「こうしたらいいんじゃない?」
「ああしたらいいんじゃない?」
の声もきこえてくる。
そんな、みんなと共有する「途中」を楽しんでいきたいと思いました。
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次は、クリスマスイベントをすることになりました!
って、もう日程せまってますー。
おんがく食堂 歩 とコラボして、昭和なクリスマス会~。
ごいっしょできる方、ぜひ!